僕らの留学生日記inイスラエル

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【社会構造】キブツって何?/イスラエルの村

キブツって何?」

 

今日は実際に2つのキブツで生活したことのある自分がその質問に答える記事です。

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キブツって聞いたことがありますか?

 

聞いたことがあって何となくは知ってるけど詳しく知りたい、実際どうなの?って言う質問に答えていこうと思います。

 

  1. キブツとは
  2. キブツの歴史
  3. キブツの現状
  4. まとめ

 

 

1.キブツとは

 

キブツヘブライ語:קיבוץ;複数形:קיבוצים, 英語:Kibbutz)は、イスラエルの集産主義的協同組合。キブツとは元来ヘブライ語で「集団」「集合」を意味する言葉である。(Wikipediaより)

 

キブツとは引用の通りイスラエルの集産主義的協同組合、簡単に言えばイスラエルにある村のことを言います。

しかしキブツはただの村ではなくキブツ=共同体であり、農業を中心とした農村コミュニティのことを指します。

どういうことかと言うとキブツでは固有資産という概念がなく、基本的に農業や子供の世話などの労働をしますがその労働の対価に給料は支払われません。

その労働力で互いの生活を支い、1人1人に衣食住が与えられます。

 

今は違いますが、元来キブツでは上述の通り個人財産つまり「個人で所有する」という概念がないため、財産も収入もすべてキブツに預け貧富の差が存在しない平等な社会が作られていました。

さらにはキブツには家庭という概念も薄く、村全体が家族のようなものなので子供達は親と寝るのではなくて子供の家とよばれる幼稚園のようなところで寝泊まりしていたことは私たち日本人の感覚として驚きだと思います。

 

要するにキブツとは非常に人々の繋がりの強い村なのです。

 

ここまで徹底された共産主義の村が存在し成り立っていたことは世界からも注目を集めていました。 

 

2.キブツの歴史

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最初のキブツは1909年にロシアの迫害から逃れた若者たちがイスラエルの地にやってきてガリラヤ湖南岸に設立した共同村デガニアです。

彼らは、自分たちの国家(イスラエル)建設の夢を実現させようと願い開拓したり購入した土地で、「生産的自力労働」「集団責任」「身分の平等」「機会均等」という4大原則に基づく集団生活を開始しました。

 

最初のキブツが建てられた後も、迫害のために世界各地から沢山のユダヤ人がこの地にやってきて、次々とキブツが各地に建設されていきました。キブツイスラエル建国の基盤となる重要な役割を果たしたとも言われています。

 

その後キブツの数やキブツで暮らす人口は増大し、キブツの中には農場だけでなく人々の生活のために学校や図書館、診療所、プールなどが建てられていった所もあります。

 

また注目すべき点として他の記事にはこのようなこともまとめられていました。

キブツイスラエルの人口比率からすると考えづらいほど多くの軍指導者、知識人、政治家を輩出している。たとえば、初代首相ダヴィド・ベン=グリオン、女性首相ゴルダ・メイアなど。また、キブツの構成員がイスラエル人口の4%にもかかわらずイスラエル議会で議席の15%を占めていたこともあった。キブツの人口はイスラエル全体の7%を超えたことがない。しかし、イスラエル人にとっても、外国人にとっても、他のどのような施設にもまして、キブツイスラエルを象徴するものとなった。

パレスチナ問題をめぐり多くのイスラム諸国と対立するイスラエルは、食料自給率が9割を超えており、農業生産の約8割をキブツとモシャブが担っている。

(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/キブツより)

 

 

3.キブツの現状

 

現在のキブツは工業や観光業も営み、独立した自治体的な側面もありそれぞれのキブツによって特徴があります。

 

また、元来は生活の全てが無料で保障されるとともにメンバーの労働は無報酬であったが、現在では給与が支払われるようになっていて、固有財産を持った農村的なまとまりになっている。

 

元来のキブツは理想郷的な共産共同体であったが、現在のキブツの多くは上記のように個人が固有財産を持つようになり資本家企業や普通の町とほとんど変わらなかなっている。

 

しかし依然としてキブツイスラエルにおける役割は重要で、キブツの工場と農場はイスラエルの工業生産量の9%、80億ドル、農業生産量の40%を占め、17億ドル以上を占めています。

4.まとめ

 

建設当初は日本では考えられないような共同的まとまりでしたが現在は普通の村と同じような形態をとっているところが多いです。

しかしその共産的な構造でイスラエルの建国前から現在まで農、工業的にイスラエルを支えていることは全世界から注目を集めている面白い仕組みであることがわかってもらえるといいと思います。

 

でもその仕組みもずっとは続かないと言うことは他の歴史からもわかる通り、今の資本主義も完璧ではない故見直していく必要もあるのかもしれないと感じました。

 

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