僕らの留学生日記inイスラエル

イスラエル留学生が役に立つことないこと書いてくブログ

【読書】イスラエル人とは何か

イスラエル人ってなんなのかと言う疑問を解決すべく、この本を読んだので感想です。

 

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(イスラエル人とは何か―ユダヤ人を含む超える真実https://www.amazon.co.jp/dp/4198626057/ref=cm_sw_r_cp_api_i_ZtRSDb86TM4ND)

イスラエル人について未知だなあ

としか思っていない人が多いと思うので

是非このブログを読んでください。

 

そもそも僕がイスラエル人って何なのかという疑問を持った理由は、パレスチナ問題ってどうやったら解決されるんだろうと考えた時に、建国してまだ100年の経っていないイスラエルに住んでいる人々、問題の中心となっている人々について知らないといけないなと思ったからです。

その土地の歴史だけでなく今住んでいる人々のリアルも知らないといけないと思いました。、

 

そして読んでいくなかで、僕が注目したキーワードは

アイデンティティ

です。

 

民族間での紛争の解決が困難なのはそれぞれ絶対に譲れない、譲ってしまえば自分という存在が否定されるような感覚に陥ってしまうアイデンティティというものがあるからです。

 

この本を読む前僕は、

そもそもイスラエル自体も様々な国から来た人々が集まって互いの文化やアイデンティティを尊重し合いうまく融合してできた国だから、

それをイスラエルパレスチナ間でも行なっていけば解決はわりと難しくはないんじゃないかと思っていました。

 

しかしこの本を読んで、イスラエルに住む人々とパレスチナに住む人々のアイデンティティには、"土地"という部分でどちらも譲歩しがたい接点があるという事に気づきました。

そしてそれは日本人の私たちが思っているより深く複雑な話でした。

 

そもそもこの問題は

ユダヤ人vsアラブ人

という単純な構図に落とすことがそもそも出来ません。

先ほどから述べている通り

イスラエル国内でさえ矛盾したアイデンティティを抱えた人が多くいます。内側が安定していない状態だ外側にばかり目を向けることは危険です。

 

以上のように、この問題が解決困難である要因にアイデンティティが絡んでいることはお分かりいただけたと思います。

 

このアイデンティティにはもちろん宗教が大きく関わっています。

互いの宗教を否定している状態では、例え土地がパレスチナに譲渡されたとしても争いは無くならないでしょう。

 

 

しかし、だからといって絶望的だ

と僕が捉えたわけではありません。

 

この本の中で僕の最も印象に残ったのは

平和は勇士たちでなく、ただの隣人がもたらす(本文より引用)

という言葉です。

 

どういう意味かというと、ユダヤ人とアラブ人と聞くとvsという言葉が思い浮かんでしまうが、それは間違いである。

隣人レベルで考えるとユダヤ人と仲の良いアラブ人、またその反対だって全然ある。

ていうかむしろ普通に暮らしてたらユダヤ人とアラブ人が仲悪いなんて嘘みたいに感じたりもする。

 

つまり、対立関係を生み出してしまうのは双方の関係を大きく捉え過ぎてしまうからであってもっと小さな部分を見ると平和への足がけが見つかるかもしれない。

平和は勇士たちでなく、ただの隣人がもたらすのだ。

 

 

日本にいると関係のない出来事だし、興味を持たない人も多いかもしれません。

しかし同じ地球でまだ紛争が起こっていて苦しんでいる人がいると考えた時に人間として自分には関係ないと本当に言い切れはしないと思います。それは偽善とかじゃなくて、人間という性質が同じ以上、大小はあれど他人やほかのコミュニティとの衝突が自分にもあるということです。そんな時人を見るという視点が大切になってくるかもしれません。

 

今回はとっても大きな事象から、日常レベルまで落とし込める本でした。

かなり独特な捉え方だったかもしれませんが、こんな感じです。

 

ではでは